トルコではザクロ(トルコ語でnar)が、幸運や豊穣、繁栄、新たな始まりを象徴する縁起の果実として暮らしに根付いています。秋〜冬に旬を迎え、市場や店先に真紅の実が並ぶ季節の風物詩にもなっています。トルコ共和国大使館の文化観光局が、こうした文化的な位置づけを紹介しました。
ザクロは粒の多さから「多産・繁栄」を、深い赤色から「生命力や希望」を連想させるとされ、意匠は陶製タイルのチニや陶芸、織物など伝統工芸にも広く用いられてきたといいます。節目の慣習としては、ザクロを地面に投げて割り、飛び散る実に豊かさと幸運を願う「Nar Kırma(ザクロ割り)」があり、新年、結婚、開業祝いなどで行われます。
食の面でも存在感は大きく、濃厚なザクロシロップのナル・ペクメズィや、甘酸っぱい調味料ナル・エキシスィがサラダや肉料理の味付けに使われます。デザートでは伝統菓子ギュラッチやアシュレの彩りとして実が添えられ、搾りたてのザクロジュースも親しまれているとされます。観光面では、文化と歴史の多様性を背景に、2024年の訪問者数が過去最高の6,226万人に達したと説明しており、こうした生活文化の発信が旅行需要の後押しになるかが注目されます。
